ぼくは、お酒が飲めない。ビールも、ワインも、シャンパンも飲めない。そんなぼくが、「お酒がテーマの映画」10作品を紹介する。
1.カクテル
ジャマイカを舞台に、一獲千金を夢見るバーテンダーが、真実の愛に目覚めるまでを描いた青春ラブストーリー。
この映画で、カクテルを作る人はみんな曲芸をするものだと、誤った認識が植え付けられた。カウンターの向こうでシェーカーを放り投げ、キャッチするトム。湧く観客。そして、エリザベス・シューとのラブロマンス。お酒が飲めれば、楽しいことばっかりなんだ、と羨ましくなる。
1988年、監督:ロジャー・ドナルドソン、主演:トム・クルーズ、エリザベス・シュー
2.リービング・ラスベガス
監督の実体験を元に、アル中男と娼婦の奇妙な愛の形を描く。ニコラス・ケイジはアカデミー賞主演男優賞を受賞。
バーテンダーとラブラブだったエリザベス・シュー。本作では娼婦となり、アル中男を愛してしまう。酒を作る男から、酒に溺れる男に。お酒とのつきあい方を間違うと、こんな最期が待っているんだ、と空恐ろしくなる作品。
1995年、監督:マイク・フィギス、主演:ニコラス・ケイジ、エリザベス・シュー
3.ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!
学生時代のリベンジ、一晩で12軒のはしご酒に挑戦する腐れ縁の5人組。しかし、街は昔と違う。異変が生じていた。
本作で主人公たちは、一日12軒の酒場をはしごして、ジョッキ12杯を空けるという。コップ半分で、嘔吐するぼくには無縁の世界。酒を飲みながら昔を語り合う、そんなことはできないぁと残念に思ってしまう作品。
2013年、監督:エドガー・ライト、主演:サイモン・ペグ、ニック・フロスト
4.アンタッチャブル
アメリカ禁酒法時代、アル・カポネを追い詰めるアンタッチャブルに拍手喝采。しかし、「禁酒法が廃止されるそうですよ!」という新聞記者に、「だったら、一杯やるよ!」と返す捜査官。下戸の味方だと思ってたのに、裏切られた気分。
1987年、監督:ブライアン・デ・パルマ、主演:ケビン・コスナー、ショーン・コネリー
5.欲望のバージニア
「アンタッチャブル」の反対で、こちらは、追い詰められる犯罪者が主役の映画。立場によって物事に見え方はまったく異なる。ガイ・ピアース扮する捜査官のいやらしさがハンパない。「密造を繰り返す悪役」に思わず、感情移入してしまう作品。
2012年、監督: ジョン・ヒルコート、主演:トム・ハーディ、シャイア・ラブーフ
6.ハングオーバー!消えた花婿と史上最悪の二日酔い
結婚前の馬鹿騒ぎ。人生最高の夜を楽しんだはずなのに、朝起きると記憶がない。最悪の二日酔いに悩まされる。
お酒を飲んで記憶がなくなる人がいる。信じられない。知らない間になにかやらかす、なんて恐ろしくて考えたくもない。この映画は、やらかしてしまった人たちの物語。お酒ってば、羨ましくもあり、恐ろしくもある。
2009年、監督:トッド・フィリップス、主演:ブラッドリー・クーパー、ザック・ガリフィアナキス
7.サイドウェイ
人生のピークを過ぎた男は、悪友とワイナリー巡りの旅に出る。魅力的な女性との出会いから、自身を見直すことに。
ワインセラー巡りの旅に出るなどという選択肢は、ない。しかし、もし行くのなら山梨あたりだろうか。駅からは、やはり、無料のシャトルバスだろうか。いやいや、お酒が飲めないぼくには無関係な話だ。
2004年、監督:アレクサンダー・ペイン、主演:ポール・ジアマッティ、トーマス・ヘイデン・チャーチ
8.聖なる酔っぱらいの伝説
フランス・セーヌ河畔の橋の下で生活するホームレスの体験する「奇蹟」を寓話的に描いた幻想的な作品。
酔っぱらいのおじさんが、最期にいろんないいことが起きる。お酒が飲めると、いいことが起こるのだろうか。いや、彼は過去の過ちから逃げるため、お酒に溺れてしまった経緯があるのだ。お酒は、付き合い方次第だ。
1988年、監督:エルマンノ・オルミ、主演:ルトガー・ハウアー、アンソニー・クェイル
9.フライト
機体の故障による墜落の危機を、奇跡的な操縦で免れた機長。しかし、酔っていた彼は、真実と嘘の間で苦悩する。
アルコール中毒の主人公が、事故をきっかけに一度は断酒するも、誘惑から逃れられない描写に恐怖を覚える。そして、大舞台で、自身が下した決断に涙する。本作は、映画三本分くらいの内容が凝縮された名作だと思う。
2012年、監督:ロバート・ゼメキス、主演:デンゼル・ワシントン、ドン・チードル
10.ドランクモンキー 酔拳
酔えば酔うほど強くなる、秘伝の拳法「酔八仙」。カンフー道場のドラ息子は、苛酷な修業に励み、会得する物語。
一説によると、ユースケ・サンタマリア、宇崎竜童、泉谷しげる、エリック・クラプトン、村井国夫、水谷豊、植木等、田中裕二、大竹まこと、関根勤、浜田幸一、田原総一朗、みんなお酒が飲めないらしい。彼らはきっとできないはず、ジャッキー・チェンの酔拳を。
1978年、監督:ユエン・ウーピン、主演:ジャッキー・チェン、ユエン・シャオティエン
番外編.カサブランカ
「君の瞳に乾杯!」の元の英語は「Here's looking at you, kid.」で、Google翻訳にかけると「ここでは子供、あなたを見ています。」とのこと。何を信じていいか分からなくなる。
確実に言えるのは、下戸のぼくは、こんな台詞を一生口にしないということ。もっともお酒が飲めても口にしないが。
1942年、監督:マイケル・カーティス、主演:ハンフリー・ボガート、イングリッド・バーグマン