正直言うと、今履いているスニーカーには満足していない。製品にはまったく問題がないのだが、サイズが合っていないのだ。
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Amazonでポチって届いたスニーカー。ちょっと履いて、若干サイズが大きい気はした。しかし、そのまま外出してしまった。
外を歩いて分かった。思った以上にブカブカだ。2サイズほど上を買ってしまったらしい。念のためAmazonに問い合わせしたが、外で履いたものは返品不可という。そりゃそうだ。
そのまま履きつづけて、1年が過ぎようとしている。階段などで、たまにつまづくがもう慣れっこだ。
2
そんなブカブカのスニーカーを履きながら、ぼくは靴屋さんの前で立ち止まる。
店先で、値引き幅の大きなスニーカーを手に取る。目立ちすぎず、かと言って退屈でもない定番のデザインを求めて。しかし心動かされるスニーカーにはなかなかお目にかかれない。
店の奥にはブランド別の棚があり、スニーカーが所狭しと並んでいる。かつて一度は履いたことのあるブランドばかり。それぞれに思い出がある。
3
ナイキを履いていた学生時代。友人のお母さんが「ホビヲくんの履いてるのはニケ?」と聞いてきて衝撃を受けた。
大好きだったアディダスの定番カントリー、靴の先から親指が出ても履き続けた。
同じニューバランスのスニーカーを履いていた親友。疎遠になってしまったが、その後、どうしているだろうか。
映画「ロッキー」に感動し購入したコンバースは靴紐に難儀した。いつも人を待たせていた記憶がある。
お土産にもらったリーボック。「リーさんとボクさんが作った会社の靴だ」と言われ、つい最近まで信じていた。
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靴の並ぶ棚の前で、自分が履いているスニーカーを見て思った。
「この靴ともっと思い出を作ろう。ちょっとクツーだけど」
そして、靴屋を後にした。
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今週のお題「お気に入りのスニーカー」