予告編を見て、感動する気満々で視聴した。しかし、観終わってモヤモヤが残った。
けっして悪い作品ではない。それなのに何故だろうか。
モヤモヤの理由1、伯父さん以外の親族が酷すぎるから?
生まれてから一度も子供に会おうとしない父親。産んで半年で自死してしまう母親。自分の夢を子に実現させようと追い詰めて殺してしまう祖母。彼女は、孫でも同じことをしようとする。それもこれも全部ほったらかしでカウボーイになる義祖父。
みんながみんな、自分勝手。子供のことまったく考えてない。
一方、天才少女を押し付けられたキャプテン・アメリカは真逆。
六年半もの間、男手ひとつで子育てに奮闘。姉の子供のために、大学の准教授の職を投げ打って、ずっと自宅で育てている。
しかし、彼を全面的に応援するのも違う気がする。
モヤモヤの理由2、伯父さんが「火垂るの墓」のお兄ちゃんみたいだから?
設定が設定だけに、観客はキャプテン・アメリカな伯父さんに肩入れせざるを得ない。お金がなくてひどい生活だったとしても、良い学校に通わせようとしなくても、普通の子に育ててほしいという姉の遺志を忠実に守っているように見える。
しかし、そんな伯父さんと姪っ子の関係は「火垂るの墓」の兄妹に重なるように見える。自分の信じることを頑ななまでに守り、事態を悪化させるお兄ちゃん。妥協してよと思いながら、ただただ破滅に突き進む兄妹を見せられて、絶望を味わうジブリ作品だ。
本作はそんな酷いことにはならず、最終的にはハッピーエンドで終わるのだが、あのお兄ちゃんと伯父さんのオーバーラップ要素はあったと思う。
授業料は奨学金で無償になるということだったはず。意地を張らずに良い学校へ通わせればすべてが解決したんじゃないだろうか。そうしていれば、祖母と伯父で争う必要はなかった気がする。
っていうか、結局最後そうなってるし。
まとめ
結局、何が正解かは分からない。
人生は、独りよがりにならず、人の意見を聞き、誤った方向に行かないように、しっかりと考えられる頭を持つことが大切なのかもしれない。
書いてみて、自分の中のモヤモヤがちょっと晴れた気がする。
ちなみに、「相談は踊る」でこの現状の打開策が質問されたら、ジェーン・スーさんは、なんと回答するだろうか。聴いてみたい。伯父さんになりすまして投稿してみようしら。