「嘘つきは泥棒の始まりだ」と言う親も、クリスマスには嘘をつく。我が子の喜ぶ顔を見たいがため、「いい子にしていれば、サンタさんがプレゼントを持ってきてくれるよ」と。
世界中の親がグルになって、ひとつの嘘をつく。何も知らない子供たちはすっかり信じ込む。しかし、物事の分別がつくようになり、家庭以外のコミュニティに属すると話が変わってくる。
やがて、「騙されたふり」をする子供たち
小学校では、サンタの正体を平気でバラす輩がいる。
それを聞いた子供は悩む。自分の親を信じるべきか、それとも、友達を信じるべきか。親に確認していいものか、黙っておくべきか。
そして、「言えばもらえなくなる。だから、騙されたままでいよう」と考える。親も子も分かった上で騙し、騙される、白々しい三文芝居が繰り広げられる。それで本当に良いのだろうか。
一度ついた嘘はどこかで帳尻を合わせなければならない。最後まで貫き通すか、時期を見て告白するか。真相を告げるタイミングや方法は、家庭の事情により異なる。
この記事では、3本の映画を参考に親も子供も満足する素敵なソリューションを提案したい。
提案１、「グレムリン」を観て、サンタは死んだと告げる
クリスマス。ビリーは発明家の父親からとっても不思議な生き物モグワイをプレゼントされた。このモグワイを飼うには3つの大切な約束がある。１つめは水に濡らさないこと。2つめは光を当てないこと。そして3つめは、真夜中の12時過ぎには絶対に食べ物を与えないこと。その約束を破ったことから、街は大パニックに陥る。
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1時間18分56秒、「クリスマスは大嫌い」と言うケイト。9歳の時にサンタが死んだ、という衝撃の事実を語り始める。このシーンを視聴した幼い子供たちは、大きなトラウマを抱える。
しかし、分別のある小学校中学年になれば理解できるはずだ。「グレムリン」を家族で鑑賞した後、「実はうちも。。。」と切り出すのが良いだろう。
提案２、「チェンジリング」を観て、サンタをなかったことにする
1928年。ロサンゼルスの郊外で、9歳の息子と幸せな毎日を送るシングル・マザーのクリスティン。だが、彼女の勤務中に、家で留守番をしていたウォルターが失踪する。悲嘆に暮れるクリスティン。「子供が見つかった」と警察がつれてきた子供は、我が子とはまったくの別人だった。周囲から追い詰められる母親の姿を描く。
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周囲の人間すべてがグルになって、一人の存在をなかったことにする。「チェンジリング」には、そのヒントがありそうだ。
「サンタさんに何をお願いしようかな」という子供に対し、「は？」と冷たく突き放す。周囲と協力して、すべては子供の勘違いだったと信じ込ませる。子供にとっては悲劇だが、時が経てば納得するだろう。
提案３、「グッバイ、レーニン！」を観て、騙せるところまで騙す
西側に亡命した夫、ますます社会主義に傾倒する母親。しかし、息子がデモに参加する姿を見て心臓発作を起こし、昏睡状態に。8ヵ月後、目を覚ましたときにベルリンの壁は崩壊していた。「もう一度大きなショックを受ければ命の保障はない」という医師。息子は母親のために、壁が崩壊していないと嘘をつきひとり奮闘する。
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一度ついた嘘は、最後までつき通す。その覚悟があるなら「グッバイ、レーニン！」を観るべきだ。母親のために、必死に駆けずり回る子供の姿。愛するが故、滑稽なまでに奮闘する姿をみて、愛の深さを知るだろう。
子供のためにどこまで本気になれるのか。白けずに、やれるところまでやってみる。それこそが真実の愛だろう。
まとめ、真実を伝えることは現実を知るきっかけ
嘘つきは泥棒の始まりと言い続けていた親が、実は嘘つきだった。子供はショックを受けるだろう。
しかし、現実とはそういうものだ。真実を知ることで、子供は大人に一歩近づく。サンタクロースの存在は、子供が大人へと成長するきっかけとなる。
あなたが子を持つ親であれば、一度、考えてはどうだろうか。出口がないままに闇雲に嘘をつくのではなく、サンタクロースの真実を告げるタイミングを。そのときに、今回紹介した3本の映画が参考になれば幸いだ。
ちなみに、今年の我が家は、サンタさんに「妖怪ウォッチ スキヤキ」をお願いする予定だ。
